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中国人はシャドウバースで俺を煽る。

大学の剣道部の同期に、中国人がいた。
彼は背が低く、髪の毛をセンター分けにしてツーブロなんかいれているもんだから、一部では「リヴァイ兵長」と呼ばれていた。
日本語はそこそこ上手く、記憶に残っている通じなかった言葉は「は?クッソが。チンカスかよ」だけだ。
剣道自体は初心者で、リヴァイのような強さはないがリヴァイのように負けず嫌いで真面目に稽古をしていた。

大学剣道の対外試合は遠征がざらで、北は北見、南は北九州まで行ったことがある。
弱小校は大学からお金が下りず、新幹線などは使えないので、たいていがバス移動だ。



その時は、リヴァイの隣の席、その日の晩の宿もリヴァイと同室になった。

バスの中、話題も尽きたころになってDSを取り出しポケモンの厳選をしようとした時だ。


「お前、シャドウバースを知ってるカ?」


知ってはいた。超美麗イラストがなんとかのスマホカードゲーム。そのくらいの認識だ。
しかしやってはいない。

「そうか、やっていないのカ。なら大丈夫ダ。」

そう言って彼はシャドウバースを始めた。
シャドウバースをプレイするリヴァイは、生き生きとしていた。時折口から洩れる中国語は日本語で言う「クソ、チンカスかよ」にあたるもののような気がするが、とにかく楽しそうだ。

リヴァイがこっちに気が付く。

「お前も始めてみたらどうダ?」

うーん、やらない理由もないからやってみてもいいがなぁ....




「まア、お前が始めても絶対に俺には勝てないがナ。お前が俺のスマホを使って、俺がお前のスマホを使っても、俺が絶対勝つがナ。」




は??????なんだてめぇ??????大陸人だからって島国人を馬鹿にしてるのか?こちとらデュエマのグランプリに出場して3-3の実力の持ち主やぞ??????だてに19年間紙遊びしてねえからな??????しょんべん散らしてお国に帰る羽目になっても知らんぞ??????

ホテルにつき、洗面所とトイレを確認するよりも先に、俺はシャドウバースをダウンロードした。
デフォルトのカードと初回特典で入手したカードを眺める。
リヴァイが口を挟もうとしてくるが、遮る。黙ってろ。てめえの指図は受けん。

俺が目に付けたのは「デュエリスト・モルディカイ」というカードだ。
最初は高いコストを必要とするが、一度出てしまえば破壊されても蘇る。体力5攻撃力5というのも、他のカードと比べて悪い数字ではない。このゲームでは、相手に20ダメージを与えれば勝てるらしいから、単純にモルディカイで4回殴れば勝てる。弱いはずがない。こいつを中心にデッキを作ろう。



決戦の時だ。

モルディカイを使うことになると、プレイヤーキャラはルナという少女になる。

リヴァイはそれを見て「お前はロリータが好きなのカ。なるほド。」とかぬかしてる。それならお前の好みは、乳房が人間の頭くらいのババアじゃねえか。

実際ルナはシャドバのプレイヤーキャラの中では最も可愛いが。




BATTLE START


相手のデッキが分からない以上、こちらはターン中に出せるだけのモンスターを出していく。
リヴァイは呪文でこっちのモンスターを処理していく。均衡状態。

デュエマをやっていた俺は悟った。リヴァイのデッキは除去コントロールの類だ。相手のカードを除去していき、リソースを枯らしてから倒すデッキ。それならこっちの有利だ。なぜなら俺の手札には除去ができないモルディカイがいる。コストがたまれば勝てる。
ふふふ、目を閉じれば「帮妈妈!!」と泣き叫ぶリヴァイが浮かんでくる。


ここで、第一の洗礼を受けた。リヴァイが0コストでカードをプレイしたかと思うと、山札から2枚カードを引いた。
嘘だろ?デュエマだと2枚ドローするには3コスト必要だぞ?


ここにきてようやく俺は気が付く。
(このゲーム、デュエマじゃないのでは....)



8コストがたまった。満を持してモルディカイを召還。どうだ。さっき撃ったウィンドなんちゃらとかではビクともしないぞ。さあモルディカイにボッコボコにされるがよい。

第二の洗礼。
リヴァイが何らかの呪文を使ったかと思うと、

「ンゴゴー!」

俺のカッコいいモルディカイが、間抜けな顔のゴーレムに変身していた。
間抜けな顔のゴーレムは、モルディカイとして蘇ることもなく、あっさり別の呪文で消し飛んだ。





そして、最後の洗礼。
ここまで、ほとんど呪文しか使ってなかったリヴァイが、ようやくモンスターを出した。攻撃力7体力7。モルディカイより一回り大きいし、さぞコストの大きな、切り札かと思いきや、コスト0。リヴァイはそいつを3体並べたかと思うと、

「さあ、跳ぶわよ!」

呪文を唱えた。そのテキストを見た時の衝撃は忘れられない。

このターンのあと、自分の追加ターンを行う。
スペルブースト コスト-1





カードゲームを知らない人には伝わらないかもしれないが、追加ターンてのはめちゃくちゃ強い。理不尽。
将棋なら駒を2連続で動かせるようなものだ。

こうして俺は、リヴァイに負けた。





「まあ、これは当たり前ダ。俺のデッキを使ってみるカ?それでも俺が勝つがナ。」
そう言ってスマホを交換した。

リヴァイのデッキのカードを丹念に確認する。
残念だったな。勝ち逃げすればよいものを。
さっきのでお前のデッキの動き方はもう覚えている。
0コストで2枚ドローするのも、モンスターを出すのも追加ターンを行うのも、あのスペルブーストってのがカギのようだ。自分が呪文を使うたびに、スペルブーストが発動してコストが下がり、強力なカードを低いコストで使える。
つまりリヴァイが俺のモンスターを処理していくと同時に、あの理不尽カードのコストを下げてたんだ。
なら序盤は攻撃せずに、呪文を撃ちまくればいいだけ。簡単。
おまけに俺のスマホにはモルディカイ以外そんなに強いカードはなかったはずだ。
こんな条件でまだそんな口を利けるとは、日本人もなめられたものだ。

俺が使うのはさっきリヴァイが使ってた爆乳。リヴァイは日本刀を構えたメイド。ルナではないから、今の間にデッキを作ったのか。

BATTLE START










負けた。なんか1ターン目から連続で攻撃されまくって、さっきの3分の1くらいの時間で終わった。追加ターンどころか普通のターンすらほとんど何もできずに終わった。

その晩は寝ずにシャドウバースをした。翌日の剣道の試合では特にいいところを見せられなかった。

試合後の自由時間、移動時間、すべてシャドバに費やした。ネットで情報もかき集めた。
オンラインで対戦できるカードゲームが、こんなに時間を持っていくものとは知らなかった。
練習しながら、リヴァイに勝てるようにデッキを考えた。追加ターンを得られたら終わりだ。モルディカイを出しても間に合わない。抜こう。それより先に決着をつけれるように、コストの低い小型で固めよう。アグロネクロという、強力なデッキとして知られているやつだ。



遠征が終わり、駅からそれぞれの住処へ向かう電車の中で、勝負を挑んだ。



俺が使うはアグロネクロ。キャラは遠征中にすっかり見慣れたルナ。
そして、対するリヴァイのキャラは、爆乳でもメイドでもなく、俺と同じルナだった。


BATTLE START





負けた。俺の小型モンスターたちは、みんな出したとたんに処理され、最後はリソースの枯れた俺を、リヴァイのモルディカイが4回殴って終わった。
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